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眠れる森の美女(後編)

バレエコラム 2020.06.01
今回は、作品に登場する主なキャラクターについて、それぞれの魅力や見どころをご紹介していきましょう。
  • オーロラ姫
  • 妖精たち
  • 結婚式にやってくるお客様たち

目次

オーロラ姫

まずは物語の主人公、眠れる森の美女「オーロラ姫」についてです。 これはオーロラ姫の誕生から100年の眠りを経て、王子とめでたく結婚するまでの物語です。 ある国の王様と王妃様のもとに、待ち望まれて生まれた姫は、「夜明けの光」という意味をもつ「オーロラ」と名付けられました。 王宮に光をもたらす存在として、たくさんの愛情のもと大切に育てられた、まさに生まれながらの「プリンセス」です。 この「オーロラ姫」は、三大バレエのなかでも、演じるのが最も難しいとされているヒロインです。 なぜなら、100年の時を描く壮大なスケールの「眠れる森の美女」には、ほかの作品に比べ、大規模な舞台装置や豪華な衣装、そして多数のキャラクターが登場します。 それゆえ、主人公であるオーロラ姫は、そのなかで観客の目を一瞬でひきつけるほどの、圧倒的な「華」が、求められるのです。 技術や演技力だけでなく、プリンセスとしての「華」や「気品」を表現することが、この役の最大の難しさだといわれています。 特に、その圧倒的な「華」を表す場面が、オーロラ姫の「16歳の誕生日」のシーンです。 4人の貴公子たちが、バラの花を姫に手渡しながら踊るので、「ローズ・アダージオ*」ともいわれています。(*アダージオ:ゆっくりとした踊り) 王宮の人々や貴公子たち、そして観客が見つめる中で片足で立ち、時が止まったかのように魅せるバランスは息をのむほどです。 なんと、ベテランのバレリーナでも、緊張して足がすくんでしまうこともあるそうですよ。 プリマバレリーナの至芸を、たっぷりと堪能できるこのシーンは、「眠れる森の美女」の大きな見どころの一つです!

妖精たち

さて、続いては妖精たちについてご紹介します。 まずは、この物語の行方を司る、最も重要な妖精、善の精・リラ。 オーロラ姫の洗礼式に、妖精たちを従えて登場するリーダ的存在です。 その堂々と威厳に満ち溢れた姿は、不穏な空気も一瞬で穏やかに包み込んでしまう、不思議な魅力の持ち主です。 そして、リラの仲間として登場するのが5人の妖精たちです。
  • 思いやり溢れる「優しさの精」
  • 気力に満ちた「元気の精」
  • 優雅で大らかな「鷹揚(おうよう)の精」
  • 明るく活発な「呑気(のんき)の精」
  • 困難を恐れない「勇気の精」
妖精たちは、それぞれの美質を、オーロラ姫に誕生の贈り物として授けます。 そしてそこへ登場するのが、もう一人の重要な存在、悪の精・カラボスです。 6人の妖精が祝いの場に招待されたのに、自分だけが招待されなかったことに腹を立て、「オーロラ姫は16歳の誕生日に糸紡ぎの針に刺されて死ぬ」と、恐ろしい呪いをかけてしまうのです。 そこで、希望をもたらすのが善の精・リラの存在です。 実は「リラ」とは花の名前で、この作品が生まれたロシアでは「リラの花」は、 知恵の花と言われているそうです。 悪の精・カラボスによって「針に刺されて死んでしまえ」と姫にかけられた呪いを、「死ぬのではなく、100年眠りにつくだけ」と、打ち消したリラの精の魔法は、 「善の心を持って、知恵を絞れば、恐ろしい呪いでさえも打ち勝つことができる。」 ということを、私たちに示してくれているような気がします。 「眠れる森の美女」の重要なテーマであるこの善と悪の戦いは、作品の随所で繰り広げられます。 なんとこの二人、実は姉妹であるともいわれているようです。 初演のころは、マイム(ジェスチャー)のみで表現されることが多かったようですが、技術の向上に伴い、最近では踊りによってその存在感を表現するように変化してきました。 演出によっては、悪の精カラボス役は、男性が女装して演じることもあるようです! バレエ団の演出や振付によって異なる、善と悪の表現の違いを、観比べてみるのも面白いかもしれませんね♪

結婚式にやってくるお客様さま

さて最後は、物語のクライマックス。「オーロラ姫とデジレ王子の結婚式」のシーンに登場する、お客様についてです。 このシーンでは、宝石の精たち、青い鳥とフロリナ王女、長靴をはいた猫、赤ずきんとオオカミ、シンデレラなど物語とは関係のないキャラクターが、お祝いに駆け付けてくるのです。 実はこれらのほとんどは、物語の原作者、シャルル・ペローが書いた童話の登場人物たちなのです。 ペローが作り出したキャラクターたちが、物語を抜け出して二人のお祝いにやってきたのでしょうか(^^) ゆかいなお客様たちに、リラや、カラボスなどの妖精たちも加わり、皆で共に繰り広げる大団円は、とても華やかでなんともハッピーな気持ちにさせてくれます♪
さて今回は、バレエ「眠れる森の美女」に登場するさまざまなキャラクターや、見どころについてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。 主人公以外にも見どころ盛りだくさんの作品ですね。 なかでも、善の精・リラはこの作品の、影の主人公のような存在です。 恐ろしい呪いに屈することなく立ち向かい、知恵の力を活かして、人々に希望をもたらすのです。 いま私たちが直面している険しく先の見えない戦いも、知恵を持ち合わせて、勇気をもって立ち向かえば、きっと打ち勝つことができる。 そんな隠されたメッセージが、この物語には、隠されているのかもしれないですね。 不安な日々が続いている毎日ですが、お互いに知恵を絞り、共に協力して闘っていきましょう!

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