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質問
娘の発表会で今度、「レ・シルフィード」をやる事になりました。
白い妖精の踊りですよね。
ところで、「ラ・シルフィード」という作品を見たことがありますが、ラとレの違いですが、同じ作品ではないようです。
「レ・シルフィード」と「ラ・シルフィード」って何が違うんでしょうか?
ペンエーム・マリー様
回答メッセージ
●フランス語の観点から
私はバレエ初心者で、バレエのことはわかりませんが、フランス語を少し知っているので、その方面からの回答です。
Wikipediaで見たところ、
ラ・シルフィード – 1832年初演のバレエ曲目
レ・シルフィード – 1909年初演のバレエ曲目
とありますので、全く別の作品ですね。
「シルフィードって何?」というと、”シルフィード=風の精シルフの女性形”とありました。
つまり、女性の風の精をフランスではシルフィードと呼ぶようです。
そこで「ラ」と「レ」の違いですが、
「ラ (La)」はフランス語の女性単数冠詞で、
「レ (Les)」は男性女性共通の複数冠詞です。
冠詞とは英語のtheに当たるものですが、フランス語は冠詞が男女によって、単数か複数かによっても変化します。
ラ・シルフィード La Sylphide
レ・シルフィード Les Sylphides
「ラ」は一人の女性の風の精、「レ」は女性の風の精が複数いることになります。
おそらく、「ラ・シルフィード」は風の精が1人しか出てこないけど、「レ・シルフィード」は複数登場するのだと思われます。
更に、フランス語は基本的に語尾を発音しないので、「レス・シルフィデス」とは読みません。
よって、Sylphideに複数を表す「s」が付いても、発音は単数の時と変わらず「シルフィード」となっています。
ペンエーム・ミンク様
バレエスタッフからのコメント
とても分かり易い説明ありがとうございました。
バレエ用語はフランス語ですが、ラとレにはこのような意味があるんですね。^^
どちらの作品もバレエの代表的なイメージである、背中に小さな羽の付いた、ふわふわした白くて長い衣装の妖精の踊りです。
それでは、簡単に2つの作品について説明しますね。
●「レ・シルフィード(Les Sylphides)」
フレデリック・ショパンのピアノ曲を管弦楽に編曲しバレエ音楽にしています。
このため別名はショピニアーナ(Chopiniana)とも言われています。
複雑なあらすじはなく、森の精(シルフィード)たちと、詩人(男性)が月明かりの下で踊り明かします。
コールドバレエ(群舞)の美しく優雅な世界を堪能できます。
●「ラ・シルフィード ( La Sylphide)」
1832年にフランスで初演された全二幕のバレエ作品です。舞台はスコットランドの農村です。
男性がスカートのスコットランド民族衣装を着用して踊るのが有名です。
一人の空気の精(シルフィード)と一人の青年が出会い恋に落ちます。
しかし、ある者の策略によって青年は、シルフィードを死にいたらしめてしまいます。
演劇的要素が強く、見ていてとても楽しいですが、お話の結末は、ちょっと悲劇的で切ないお話です・・・
妖精の踊りは見ていて本当に美しいですよね。
しかし、実際に踊りを踊るバレリーナたちは、重さを感じさせない妖精の踊りをするために大変な努力が必要です。
爪先で立って踊るポアント(トウシューズ)の始まりもまさに妖精を演じるために出来たと言われています。
質問者マリー様のお嬢様も発表会で「レ・シルフィード」をされるようですが、とても良い経験になると思います。
是非、頑張って下さい!
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